「インバウンドの主流は地方へ!!」 既にインバウンドは第2ステージに突入している。そこには、地方の小さな店舗にもビジネスチャンスが眠っている。インバウンドでは、データを正しく分析し、多角的な視野で対策を講じることで勝ち組になることができる。やるかやらないか…、この市場は早い物勝ちである。
例えば、国別来訪者の月別推移を見てみると、中国人来訪者は一般的には「春節」の時期が最も多いというイメージがあるが実場データが示しているのは、夏休みである7月8月がピークになっている。春節よりも約倍近くの人が訪れている実態に気づく。
メディアの報道に惑わされることなく、JNTO、或いは滋賀県などの公開されているデータをグラフ化するなどして分析することをお薦めしたい。
弊社、株式会社地域ブランディング研究所はアジア圏を中心に、海外の旅行会社へ営業代行、マーケティング、商品醸成等のお手伝いをしており、本日は現在までの私たちの知見から近江エリアに活かせることをお伝えできるのではないかと考えている。
自らが稼ごうとしなければ地域は廃れていく。人口減が進むマーケットだけでは地域は廃れていく可能性が高い。だからこそインバウンドによる外需を取り込み外貨を稼ぐという視点が必要になってくる。
ではどのように海外に地域を売り込んでいくのか。世界の各国に対してまだまだ日本の情報が伝わっていないのが現状であり、イメージであったり、それが面白いのだというブームを創っていくことができれば、地方都市であったとしても集客力が上がるという実感がある。
アジア・太平洋圏のマーケットの可能性はどうなっているか。2030年に2.6倍と予想されている。このマーケットを取り込まないという理由はない。
アジア圏の人々が何を求めているのか。訪日動機をみてみると、日本食とショッピングが1位と2位を占めている。飛騨高山は街並のなかで食べ歩きや日本らしい体験や交流できるようになっている。そういう場所へでかけるのが動機となるのだ。いかに仕掛けていくことができるがが成功のポイントになるのは間違いない。
ところで例えば、アジア圏の方は多くの方が清水を訪れている。実はそこで、清水の歴史を深く実感するのではなく、写真を撮りライブでフェイスブックなどのSNSにシェアするというのが最大の目的になっている。浅草で雷門の横に顔ハメパネルを設置しする仕掛けをしたことがある。ただそれだけで行列ができるという現象事例がある。いかに意図的に写真を撮り自慢したくなるような仕掛けづくりや演出だけでインバウンド集客が可能になる。
また、最近では「伝統文化体験」という需要も増えている。日本へのリピーターが増え、FIT化が進んでいる。オプション型のワンデイ或いはツーデイの観光コンテンツ開発が近江の可能性であるように感じている。実際に、関空から入る外国人の何パーセントが滋賀県の観光に訪れているのか……。だった5%である。京都に隣接し、関空から一時間圏内に位置するのが近江の強みである。今後考えていくポイントであろう。
では、来られる方々に何を提供することができれば、誘客が可能なのか。私たちの海外での行動を考えてみると案外定番観光消費をしていることに気づく。やはり、現地でしかできない体験をしたいのである。まず、ターゲット国が最も多く来日するシーズンを把握し、その国の人々が日本滞在期間中に期待していることを徹底的に提供することである。これができれば、SNSなどの拡散で一気に有名になる可能性がある。さらに、ゼロから創っていくのではなく、周辺の成功事例から学び連携していくことをお薦めしたい。
彦根城の桜や近江牛などプロモーション次第では大きな集客が可能なように思っている。
(更に詳しくは、近江インバウンド通信参照)
吉田博詞氏 プロフィール
1981年広島県廿日市市(安芸の宮島の対岸)生まれ。筑波大学第三学群社会工学類を卒業。
2004年株式会社リクルート住宅情報ディビジョンにて大手マンションディベロッパーの企画営業。
2005年株式会社地域活性プランニングにて映画やドラマを活用し地域・施設のファンづくりコンサルティング。
2013年株式会社地域ブランディング研究所設立。