清凉寺
いよいよ10月23日(日)から「彦根プレミアム体験」が始まりました。
今回の「彦根プレミアム体験」では、「袴変身体験プラン」「鎧変身体験プラン」の他に、「坐禅体験プラン」も組み入れることができました。
今回 坐禅体験プランにご協力いただけるのは、彦根市が誇る禅の名刹、臨済宗・龍潭寺、曹洞宗・清凉寺、曹洞宗・長松院の三寺です。どのお寺も井伊家と深いつながりがあり、歴史的にも重要なお寺です。
「坐禅体験プランなんて京都でもやっているじゃないか」という御意見もあるかと思われます。しかし、京都で坐禅体験を受けられるお寺のほとんどは臨済宗の禅寺です。
それに対して、彦根は曹洞宗の総本山永平寺(福井県)の影響も色濃く残るエリアであり、京都では珍しい曹洞宗の禅体験ができるという点が魅力です。
臨済宗は、一休さんや沢庵和尚で有名なように、市井の中で生きる在野の宗派です。それに対して曹洞宗は、総本山永平寺の只管打坐(ただひたすら坐ることに集中する)に代表されるように、俗世を離れて山奥で静かに自分と向き合うタイプの宗派です。
欧米(特にアメリカ)では、1962年に曹洞宗のサンフランシスコ禅センターが設立されて以来、曹洞宗の影響が強く、スティーブ・ジョブズ氏も曹洞宗の知野(乙川)弘文老師から禅の教えを受けていました。
彦根市の曹洞宗の名刹、清凉寺では、百人詰の禅堂があるほど修行道場としては有名で、隆盛時には、二百余名の雲水(修行僧)が修行をしていたそうです。
井伊直政公を火化し骨灰遺物を埋葬したとされる曹洞宗の古刹、長松禅院では、もうすでに海外からの参禅希望者を受け入れている経験もあり、こちらの禅寺では、夜禅(18時もしくは19時スタート)の体験もできるということです。
また、臨済宗の名刹、龍潭寺は、造園を行う僧侶を養成する園頭科(おんずか)があり、これが造園専門学校の始まりとされています。禅宗では、修行の1つとして「庭園を造る」というものがあり、龍潭寺は庭を学ぶための「庭の寺」として有名であり、この龍潭寺の名庭を前にした坐禅体験は格別なものになると思われます。
近江ツーリズムボードの役割
このように近江エリアには、まだまだ埋もれている素晴らしい場所がいくつもあるように思います。
清凉寺、長松禅院、龍潭寺における坐禅体験のように、京都では体験できないようなプランを創ることで、観光客を呼びこめる可能性は十分にあります。ポイントは「他ではできない体験」という点だと思われます。近江ツーリズムボードでは、このような眠れる資源を再発掘することで、近江でしか体験できないプランを提案し、PRしていく窓口として展開していければと思っています。