城内に多くの文化財が存在し、国宝指定も受けている彦根城では、これまでに多くの研究がなされるとともに、その保存と活用の両立が長年の課題となっていました。今回、この課題の解決策を探るべく、彦根市・彦根城博物館と連携し、研究テーマの一つであった「殿様の日常」を観光客に体感いただける体験コンテンツ造成事業が始動しました。
主軸は、井伊家13代当主・直弼公が残した16の茶会の内容が記された文書『彦根水屋帳』の内容を再現したお食事を、玄宮楽々園内の「御書院」棟でいただくというもの。江戸時代、この「御書院」は藩主の別邸や隠居所での対面の場とされ、また、直弼公自身が亭主となって開かれた茶会も玄宮楽々園にて執り行われる等、政庁である表御殿と比べて文化性の高い空間となっていました。その茶会の様子を観光客に追体験いただけるよう、当時からあるホンモノの空間で、当時の献立『彦根水屋帳』から再現した料理を食すことにより、ここでしか体験できない江戸時代の文化を楽しみ、殿様気分を味わっていただけます。
本事業では、近江観光大使のクリスグレン氏によるコンサルティングの基、コンセプトをPRする動画や、有識者による解説動画、体験レポート記事等も作成。お殿様が玄宮楽々園でどのように過ごしたかのイメージをつかめる内容となっています。直弼の茶人としての功績を後世に伝えようと、彦根市では茶の湯条例案も可決されたばかりであるこのタイミングに、「一期一会」の精神が息づいた彦根のお茶を、本事業のコンテンツを起点に、様々なイベントと連動して複合的にプレゼンできるよう、彦根城内から世界へ発信してまいります。
殿様の日常体験 ~本物の場所で、本物の体験を~ | The Daily Life of a Samurai Feudal Lord - YouTube