近江ツーリズムボード(OTB)は昨年度より、イギリス出身の観光コンサルタント、ロッド・ウォルターズ氏とともに観光コンテンツ造成を行っており、先日、湖東地域の魅力を英語で紹介するウェブサイト「VISIT OMI」を開設しました。今回はその紹介とあわせ、「観光地域づくり法人(DMO)」であるOTBの活動内容について、ロッド氏に解説いただきます。
近年、日本でインバウンドという言葉が流行すると同時に、DMOという言葉もよく聞くようになりました。DMOはデスティネーション・マネージメント/マーケティング・オーガニゼーションの略で、DMOの原型は民間団体(民)が国や行政機関(官)から得た資金を使って地域の観光資源を広報することです。このような組織が40年程前にヨーロッパで発祥し、それ以降、世界中に広がりました。日本では小泉政権以降、「日本版DMO」が観光庁で研究され、官指導の物産・観光課から民参加のDMO化を進めてきました。令和2年3月31日現在、162件のDMOが観光庁に登録され、119件が登録待ちです。
観光は国と地域の経済に大きく貢献する分野であり、観光資源をうまく利用すると重要な収入源となります。これを実現させるのがDMOです。飲食、宿泊、交通、メディアなど地域のさまざまな分野の事業所を会員とし、その会費と行政からの予算を活用し、地域の観光資源を束ねて、管理します。その管理に含まれるのは、資源の発掘と改善、資源を利用したツアー企画、新型コロナウイルス感染拡大防止を始めとした危機管理と災害対応、そして地域の情報発信。観光は地域全体への影響が大きいため、DMOが構築する観光方針に対し地域住民の同意が必要であり、住民の合意形成も重要な役割となります。
DMOのデスティネーションとは、共通のテーマがあり、一週間以上飽きずに滞在できる地域のことです。DMOであるOTBの圏域、湖東地域の地理、歴史、食文化にも共通のテーマが備わっています。
外国人観光客にとって、近江は魅力的なデスティネーションです。この魅力を多くの外国人に知らせるため、VISITOMIというウェブサイトを構築しています。またインスタグラムやピンタレストなどのSNSも利用しています。これらのネットから、近江各地の観光資源、現在と過去の人物等の魅力を紹介しています。OTBのこうした取り組みに参加したい方は、ぜひご連絡ください。
2020.09.01