今回の受賞は橋爪氏が中心的な役割を担ってこられた「水都大阪のまちづくり」の業績によるものです。
「石川賞」は都市計画に関する独創的または啓発的な業績により、都市計画の進歩、発展に 顕著な貢献をした個人または団体に贈られ、授賞式は東京大学にて、5月20日に行われる予定です。
橋爪紳也氏は彦根商工会議所顧問であり、近江ツーリズムボードのアドバイザー、彦根市と多賀町が連携しながら実施する『地方創生加速化交付金事業「光とアートで発信する付加価値創造(ブランディング)事業」』の総合プロデューサーです。心からお祝いを申し上げたいと思います。
受賞理由
「水都大阪のまちづくり」は、2001 年の都市再生プロジェクトの決定以降、産官学と地域との連携体制のもとで長年取り組まれてきた。特に 2013 年に設置された「水と光のまちづくり推進会議」は府・市・経済界のトップで構成される類例のない推進組織であり、その取組の成果は、水辺が観光産業を含む次代の都市インフラとして多くの可能性をもつことを可視化するとともに、多面的に今後の都市づくりにおける先鞭となるフロンティアを示したといえる。
特に、1. 大阪という都市の歴史と新たな可能性を活かし、水辺のかつてない魅力を多数創出させている点、2. それを実現させるために、地元の経済界を含む産官学と地域との強力な連携体制を構築・継続している点、3. 縦割りに分断される水辺にかかわる所管や事業、規制権限などを統合し総合的に推進している点、5. 多くの人々の協力と理解を要する中で社会実験の蓄積により新たなルールを構築している点、4. 持続的都市のあり方の手本となるマネジメントを実践し都市の活力を創出している点などは、今後の都市計画行政の活路を見いだす実績であり、その実践の積み重ねは、社会的にも学問的にも高く評価されるべき取組であるといえる。
以上のことから、本取組は都市計画に関する独創的かつ啓発的な業績により、都市計画の進歩、発展に顕著な貢献をしたものとして、日本都市計画学会石川賞に値すると判断した。