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2016.12.12

近江ツーリズムボードが作成した産業観光モデルコースを留学生が実際に体験

 12月4日(日)近畿経済産業局主催による産業観光モデルコース設定支援事業として、近江ツーリズムボードが作成したモデルコースを留学生の皆様に体験していただきました。
 今回参加していただいたのは都市活力研究所に関西ツーリズムサポーターズとして登録されている4人の留学生たちです。実際モデルコースをまわってみた留学生たちの率直な意見から、近江ツーリズムボードの役割を考えてみました。

 地域が持続的に経済発展を続けるために、地域資源の一つである産業観光への期待が高まっています。  今回は、近畿経済産業局主催の産業観光モデルコース設定支援事業として、近江ツーリズムボードが作成した産業観光のモデルコースを留学生の皆様に実際に体験していただきました。今回参加していただいたのは、都市活力研究所に関西ツーリズムサポーターズとして登録されている4人の留学生たち(国籍:中国2名、韓国1名、ロシア1名)です。
 今回のモデルコースには「High Technology & Traditional(高度な技術と伝統)」というテーマがあり、テクノロジーというテーマではキリンビール滋賀工場でキリンビール一番搾りの製造過程を、伝統というテーマでは井上仏壇の金箔貼りをそれぞれ体験していただきました。

留学生たちの率直な声

 今回のモデルコースでは近畿経済産業局から1名と近江ツーリズムボードのスタッフ2名が同行しながら留学生たちの率直な意見を聴くことができました。
 留学生たちの意見として多かったのは、やはり外国語の表記や案内についてです。
 「街を歩いていても、英語や中国語の表記が少なく、観光客の立場からすると不安を感じる」「自転車に乗った際、(観光客用の)案内があまりない。案内板をもっと増やして欲しい」という声がありました。
 海外からの旅行者に安心して街を散策してもらうためには、この街に長く住んでいる人間の視点ではなく、海外からの旅行者の視点で、彼らが必要だと感じる場所に必要だと感じる案内板や標識を作るような配慮が必要だと感じました。

鮒寿司の味と伝統工芸の難しさ

鮒寿しを体験する参加者

 今回留学生たちには鮒寿司を体験していただきました。
 日本人でも賛否が分かれる鮒寿司を海外からのお客様に食べていただくというのはどうかとも思ったのですが、この鮒寿司体験は思いのほか好評で、その味が好きな人も苦手な人も含めて皆様に喜んでいただけました。
 また、井上仏壇店では、金沢でやっているような簡単なシールタイプの金箔貼り体験ではなく、竹箸で1つ1つ金箔をつまんで貼っていく本格的な金箔貼りを体験していただいたところ、その難しさと大変さがむしろ好評で、「金箔体験は思ったよりも大変だったが、すごく楽しかった」という意見をいただくことができました。

One & Only(唯一無二)の体験

金箔貼り体験

 今回の留学生たちは皆大阪在住であり、大阪には大阪城も伝統工芸を体験できる場も、工場見学をできる場もたくさんあります。そういう人たちに彦根を中心とした近江エリアに来てもらうためには、「どうしてもここまで来なくてはいけない理由」が必要です。
 そのためには、鮒寿司のようなここでしか体験できないものを組み合わせてアピールしていく必要があります。
 また、井上仏壇店での金箔貼り体験のように、観光客向けの簡単なシールタイプの金箔貼りではなく、難しさと大変さが伴う本格的な金箔貼りだからこそ、喜んでもらえるということもあります。

 海外からのお客様は、「普通では味わえない体験」を求めていますし、そのためであれば遠くまで足を運んでくださいます。
 たとえそれが苦手な味であっても、鮒寿司のような普通では味わえない体験は、強い誘客要因になりますし、困難さを伴う本格的な金箔貼りを通して感じていただける「伝統工芸の難しさや大変さ」の体験こそが強い魅力につながるということです。

近江ツーリズムボードの役割

 今回の産業観光モデルコース設定支援事業では、留学生たちからアンケートをとることで、多くの率直な意見を集めることができました。 留学生たちの視点から見た「改善して欲しい点」からは学ぶことも多く、課題も見つけることができました。
 それと同時に「他の場所では体験できないこと」「日常では味わえない苦労や困難さ=非日常体験」は強いアピールポイントになるということを改めて再認識させられました。
 今回のアンケートをフィードバックすることで、このエリアのOne & Only(唯一無二)が体験できるモデルルートをさらに洗練した形で作っていきたいと思います。