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2017.02.13

第1回地域のプロのための美食料理セミナー「南欧編」開催レポート

 初回となる美食料理セミナーが2月6日(月)に開催され、講師には太田哲雄氏を迎えました。近江食材をメインとしたイタリア料理を作りながらのデモンストレーションが行われ、それを囲む形で地元の料理人達が五感を通して学びました。

 「美味しいものがある街に、人は集まる」をキャッチフレーズに、観光消費額を増やし、このエリアを盛り上げるため『近江「美食都市」プロジェクト』に現在取り組んでおります。その中で、今回から始まった美食料理セミナーは、世界中に誇れる食の提供場所を増やしたい、世界中から観光客が集まる街にしたいとの想いのもと、初回は東京から太田氏を招き、地元の料理人のための料理セミナーを開催しました。
 太田氏は、長野県で生まれ、料理人を志し19歳で修業のためイタリアへ旅立ちます。イタリアの名だたるレストランや、「世界一予約の取れないレストラン」として有名なスペイン「エル・ブジ」、世界のベストレストラン50に選出される、ペルー「アストリッド・イ・ガストン」などで経験を積まれました。最近では、未知の食材と土着の食文化を求めて単身アマゾンへいくくらいバイタリティの溢れる方です。そんな太田氏が大事にされているのが“KM0(キロメートル・ゼロ)”の概念です。今やイタリア全国に広がるこの“KM0(キロメートル・ゼロ)”は、できるだけ地元の作物を地元で消費、農家と消費者の距離を短くし新鮮で安全性の高い食材を食べようという動きです。この『近江「美食都市」プロジェクト』でも「農商工連携による地域食材の開発及び増産」に取り組んでおり、地元の料理人の方々に地元食材を使っていただきたいとの想いもありこの概念に通ずるところがありました。
 前日は、野菜ソムリエ上級プロの立花氏に同行いただき、生産地を視察しました。訪れた場所は彦根市薩摩町にある福原氏の圃場で、この時期はホワイトアスパラガスと菜花を栽培していました。土に強いこだわりをもたれている福原氏の想いを聞き、その場で採れたての野菜をいただきました。ホワイトアスパラガスのとても繊細ですが力強い味に太田氏はインスピレーションを受け、次から次に料理のアイディアが浮かぶ姿には驚きました。

 当日は、雪が降る中11名の地元の料理人の方々に参加していただきました。近江の食材を地元の料理人の方々に使っていただきたい、食材を最大限にいかした手法を知っていただきたい、という今回の目的もあり、多賀にんじんや近江牛、近江しゃも等の近江の食材を揃えました。料理はイタリアンですが、各々のジャンルにすぐに料理に落とし込めるエッセンスを伝えていただきました。そのため、和食の料理人が多かったにも関わらず、その手法に料理人たちは魅入られ、セミナーの何日か後には、お店のメニューに取り入れている店舗もありました。

 実際に調理している姿を見、音や肌(温度)で感じ、そして試食する、いう五感を通して学べるセミナーはとても好評でした。料理人同士の横の連携を繋げたいという目的もありましたが、教えあうことにより美食都市を築きあげていく第一歩の場となりました。
 次回は、3月14日開催! 天ぷらとそば編とのことで福島県郡山市から石井 仁氏に来ていただきます。近江食材の良さを最大限いかした揚げ方、また、ミシュランの星のついた蕎麦は必見です。

使用食材

  • 多賀にんじん(多賀町)
  • ホワイトアスパラガス(彦根市薩摩町)
  • 菜花(彦根市薩摩町)
  • いちご(彦根市野良田町)
  • ジャンボレモン(愛荘町)
  • 近江牛
  • 近江しゃも
  • 淡海地鶏

メニュー

菜の花のブルスケッタ

柔らかいホワイトアスパラガスのサラダ・ブラータチーズのタルタルとイチゴのマリネ

近江牛とアマゾンカカオのタルタル・28ヶ月熟成のパルミジャーノとジャンボレモン風味

柔らく煮込んだ人参とプリモフィヨーレ ディ マルカチーズのオーブン焼き・近江地鶏のスープ仕立て

淡海地鶏のトスカーナ風バター焼き

近江しゃものトスカーナ風フリット

イチゴとアーモンドクリームの温かいタルト

太田哲雄氏 イタリアン・スペイン・ペルー料理

1980年長野県生まれ。19歳でイタリアに渡る。帰国後、料理人を志して都内のイタリアンレストランで修業。2004年に再び渡伊。星付きレストラン数店を経て、「世界一予約の取れないレストラン」として有名なスペイン「エル・ブジ」や世界のベストレストラン50に選出されるペルー「アストリッド・イ・ガストン」などで経験を積み、最近では未知の食文化を求めてアマゾンまで世界を渡り歩く。